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船底積載面が直線Vのときは縦肋骨心距を等分にとる。曲線断面のときは、フラットな部分では心距を密に、勾配の大きい部分では心距を大きくとって、板厚計算の結果がなるべく等しくなるように調節する。
機関配置によって機関台を構成する船底縦適材の位置がおさえられる。剛性の連続を保つためには急激な変化は好ましくないので、縦肋骨心距割りは、それらを考え合わせて無駄のないよう心掛けねばならない。
機関の脚の間隔が決まっているので、その間に縦肋骨が2本入るか3本入れるかによって板厚が決まる。板厚は基本計画で船殻重量をどの程度におさえるのかによって概略が決まっているので、全体としてその重量が増加しないように計画する。
表5.3に最大衝撃水圧Poの例を示す。
表5.4はRR11基準(案)による板厚計算である。「魚雷艇5」は図5.2に示す押出形材をそれぞれの配置に応じて幅を切り、突合せ溶接して組立てた船底外板によるもので、実物大模型水圧試験によって、板部の厚さのパネルとして計算したとき、スチフナ根部の増厚にカバーされて耐力の2倍の計算応力に耐えるという結果を得ている。すなわち、1/4硬質の板にスチフナをリベット接合した場合に等しい板厚とすることができ、根部の増厚が珠山形のフランジに相当して重量もまた等しくできる。計算上は関係ないが、リベットからの漏洩の恐れもないし、信頼できる突合せ溶接継手のみで構成できる。
(g)損傷例
「魚雷艇4」は衝撃水圧計算に速力が関係していることを実証した艇であって、冬の日本海での試運転中に船底凹損を発生している。損傷したパネルについて要求板厚を計算する。損傷したパネルはほとんど左舷側である。その配置を図5.3に示す。表5.5にRR11基準(案)による板厚要求値に対する実際板厚の比を示す。
設計時には、速力に無関係な旧基準によって計算したので、実際に凹損した個所以外にも板厚不足のパネルはかなり広範囲にわたっている。
凹損が左舷側に集中していることは、本艇が3軸艇であり、両舷軸はそれぞれ外廻りプロペラとなっているが、中央軸が右廻りプロペラで、その反力が特に高速航行ピッチング時に影響するものと考え、それが左ヘボ傾斜するモーメントに相当すると考えて計算すると、表5.6

 

 

 

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